空調服の歴史
夏に無くてはならない存在となったファン付き作業服。
もともとは2000年代に株式会社空調服と株式会社サンエスが、空調服として販売をしていました。
その頃の空調服は乾電池式で稼働時間も短かったため、電池がなくなるとただの重い服になってしまい、替えの乾電池を何個も用意しておかなければいけない等、不便なところもある商品でした。
また、空調服の最大の弱点として敬遠されていた理由が「見た目が悪いこと」です😟
空気が送り込まれることによってボディが膨らんでしまい、正直なところ太って見えました。
巷ではカッコいいスリムな作業服が流行ってきていた頃だというのに、時代を逆行するぽっちゃりデザイン。
そのため、(見た目を気にする?)東日本ではあまり人気がありませんでしたが、何故か(見た目に寛容な?)西日本ではジワジワと人気が出てきました。
その見た目を差し引いても、熱中症対策に必要だ!という西日本の高い気温も影響したのではないでしょうか。
その後、充電式のバッテリーが採用され、2010年代に東日本大震災が起こったことやメディアに取り上げられたことにより「空調服」という名が全国に爆発的に普及しました。
空調服と空調風神服への別れ
ところが2010年代中頃、一緒に助け合い普及に協力してきた株式会社空調服と株式会社サンエスは、別々の道を歩んでいくことを決めました。
出会いがあれば別れがある。オトナの事情ですね💦
そこから、
を名乗り始めます。
そのため、作業服各メーカーはどちらかの系列に入ってファン・バッテリーを供給してもらうのか、独自開発するのかを迫られ、それぞれのグループが出来上がりました。
空調服も空調風神服も、元々は同じ空調服として販売されていたので、通称として「空調服」と呼ばれることも多いのですが、独自開発グループは様々な愛称を付けて発売しています。
<空調服グループ>
・自重堂
・ジーベック
・アイトス
・タカヤ
<空調風神服グループ>
・サンエス
・コーコス信岡(エアーマッスル)
・ビッグボーン
・アタックベース
<独自開発グループ>
・バートル(エアークラフト)
・クロダルマ(エアセンサー)
・シンメン(エスエアー)
・村上被服(鳳皇)
・三愛(ウインドゾーン)
・桑和(サイクロンエアー)
・ワークマン(ウインドコア)
それまでは空調服一択だったため、価格も差がなかったのですが、この独自開発グループが入ってきてから価格競争や、差別化が始まります。
カッコいい作業着が得意なメーカーはデザイン重視、コストカットが得意なメーカーはコスパ重視など、バラエティに富んだファン付き作業服が世の中に増え始めました。
比べてみよう
本日は、中でも作業服の2大ブランド(と、私が勝手に思っている)のファン付き作業服の比較です。
世界的に知名度のあるブランド「ディッキーズ」の空調風神服と、日本を代表する作業服ブランド「バートル」を比較しちゃいます!
エアーマッスル | 名称 | エアークラフト |
ディッキーズ | メーカー | バートル |
形状 | ||
ポリエステル100% | 生地 | ポリエステル100% |
ブルー ライム モクグレー デジデニム |
ウェアの色 | カモフラネイビー カモフラシルバー インディゴ バーク |
約290g | バッテリー重量 | 303g |
12V:約4時間 9V:約8時間 6V:約20時間 |
使用可能時間 | 12V(約1時間)+10V(約5時間) 10V:約7時間 8V:約13時間 6V:約25時間 |
約5時間 | 充電時間 | 約7時間 |
裏チタンコーティング 裾ずり上り防止ループ 反射テープ 取り外し可能フード |
機能 | 裏アルミコーティング 撥水加工 |
【形状】
マッスルシルエットのディッキーズに対して、バートルはスリムシルエット。
それぞれのブランドが得意なデザインを活かしており、それぞれが得意なカラー展開がされています。
【生地】
どちらもポリエステル100%。
どちらも高密度の織りなので空気を送り込んだ時に、隙間から空気が漏れださないように工夫されています。
【バッテリー】
仕様が異なるので比較しにくいのですが、唯一同じ6Vを見てみるとエアークラフトの方に分があります。
ただ、20時間も25時間もつけっぱなしということは無いので、どちらも十分な稼働時間と言えます。
充電時間はディッキーズの空調風神服に分があります。
【機能】
金額が高いだけあり、ディッキーズの方が高機能。
特にチタンコーディングは、紫外線をカットして温度上昇を抑えてくれるので、炎天下の屋外での着用に向いています。
着用時間や場所、コストなどから判断して、ご自身に合ったファン付き作業着を見つけてください。