親方に「安全靴買って来い」って言われたんだけど・・・
親方に「安全靴買って来い」と言われてスニーカー型の先芯入り靴を持って行ったところ、「こんなの安全靴じゃねぇ!」って言われたのはなぜ・・・?
そもそも「安全靴」には広い意味と狭い意味、2つの解釈をする場合があります。
●広義として・・・一般的に靴の先に丈夫な芯が入っていて、足を保護してくれる作業用の靴全般のこと
●狭義として・・・JIS規格(日本産業規格)に合格した靴のみ
※2019年7月1日に日本工業規格は日本産業規格に変更されました(略称はJISのままです)
正式にはJIS規格に合格していないものは「安全靴」とは言えませんが、通称として広まっているため先芯入りの作業靴全般を「安全靴」として表記されていることが多いです。
クレーンゲームのことをUFOキャッチャーと呼んでしまうのに似ていますね。
安全靴は重作業用向きで素材などが定められているため、非常に重く通気性が悪いです。
軽作業用の通気性の良い先芯入り靴を探すのに「プロテクティブスニーカー」で検索してください!と言われたらどうでしょうか?
「プロテクティブスニーカーって長いしそんな言葉使わないよ!安全靴でいいじゃん!!」ってなりますよね・・・ 😐
そのため、全てを含めて安全靴と呼んでしまうことが多いです。
厳密にJIS規格に合格した狭義の「安全靴」が必要なのか、そこまでの強度は必要ないけど安全性は欲しい「作業靴」で良いのかを判断しましょう。
まずは、職場で求められているのがどちらなのか確認をして下さい。
JIS規格・・・日本産業規格によって定められている日本の国家規格のこと
JSAA規格・・・公益社団法人日本保安用品協会によって定められている規格のこと
それぞれの規格には細かい数値が決められていますが、それら全てを覚える必要はありませんし、覚えられません(^^;)
また、素材などにも条件が決められていて、それら全てを満たすと安全性は高まりますが、デザインや通気性・履き心地に不自由が出てきます。
そのため「JIS規格までは必要ないんだけど、もう少しオシャレで動きやすく、ある程度の安全性は必要」という方は、同等の試験を通過しているJSAA規格が参考になります。
JIS | 規格 | JSAA |
日本産業規格 (2019年日本工業規格より変更) |
団体 | (公社)日本保安用品協会 |
安全靴 | 名称 | プロテクティブスニーカー プロテクティブブーツ |
革、総ゴム | 甲被素材 | 革、人工皮革、合成皮革、ゴム、編物、プラスチック |
先芯の耐衝撃性能 | 性能試験 | 先芯の耐衝撃性能 |
先芯の耐圧迫性能 | 先芯の耐圧迫性能 | |
表底剥離抵抗 | 表底剥離抵抗 | |
H種:重作業 | 等級 | |
S種:普通作業 | A種:普通作業 | |
L種:軽作業 | B種:軽作業 | |
靴全体の安全性が高い | 特徴 | 先芯の安全性が高い |
重い | 軽い | |
通気性が低い | 通気性が高い | |
重作業に向いている | 軽作業に向いている |
先芯や剥離の性能試験の基準値はどちらもほぼ同じです。
そのため、JSAA(A種)=JIS(S種)、JSAA(B種)=JIS(L種)相当と表記されることもあります。
ただし、使用している素材が異なるため、突き刺しや引っ張り、耐荷重性などはJISの方が強固になっています。
・職場でJIS適合品でなければ不可と言われたら、JIS規格合格品から選ぶ
・特に指定がなければ「JIS」でも「JSAA」でも、それほど差はない
・「JIS」は安全性の高い重作業向き
・「JSAA」はデザインや履き心地に優れた軽作業~普通作業向き
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