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地元・浜松に春を告げる、おんぞ祭り
2025年4月12日(土)、浜松市浜名区三ヶ日町にある初生衣(うぶぎぬ)神社では、地域に古くから伝わるおんぞ祭りが行われました。
この神社は、遠州織物の発祥の地とされ、機織りの神様「天棚機姫命(あめのたなばたひめのみこと)」を祀る、織物の聖地ともいえる場所です。
衣食住の「衣」に関わるお仕事をする人々に信仰されています。
昔から神御衣を織り、毎年伊勢神宮に神御衣を奉納する儀を続けてきた由緒ある神社です。
1885年にこの調達神事は終わってしまいましたが、現在も毎年4月の第2土曜日の例祭(おんぞ祭り)が行われています。
この神社の詳細は、こちらで紹介しています。
→浜松の繊維産業の歴史を巡る【1】「初生衣神社」
御衣(おんぞ)とは?
おんぞ祭りの「おんぞ」とは、「御衣(おんぞ)=神様に奉納する神聖な衣」のことです。
神御衣(かんみそ)とも呼ばれ、神様に捧げる衣服や神様が着用する衣服を指します。
そのため、当日の朝から、おんぞ祭りに関わる濱名惣社神明宮の天棚機媛命社を清め、初生衣神社から運ばれた神御衣を納めます。
午後になると、「おんぞ奉献」などと書かれた幟旗行列を作って神御衣を取りに行きます。
1885年まで行われていた伊勢神宮への奉納の際にも、農民たちが送り出していたそうで、その儀式を復活・再現させたのがこのお祭りとのことです。
伊勢神宮に奉納する前に、一時的に神御衣を預ける濱名惣社神明宮はこちら
→浜松の繊維産業の歴史を巡る【2】「濱名惣社神明宮」
地元の伝統に、敬意を込めて
地域の織物業者や関係者が集まり、繁栄と安全を祈願するこのお祭り。
静かに続いてきたこの祭りは、華やかさこそありませんが、職人の心意気や誇りが込められた、まさに遠州らしい催しです。
私たちはユニフォームを扱う会社ですが、どこかでこの遠州のものづくりの精神に背中を押されている気がします。
例えば素材選びに妥協しないこと、現場の声に耳を傾けること、着る人の「らしさ」を大切にすること。
それらすべてが、仕事着であって仕事着以上の一着を目指すための姿勢です。
遠州織物をユニフォームに取り入れているわけではありませんが、地域の「丁寧なものづくり」の文化に学ぶことは多いです。
地元の歴史や文化に敬意を払いながら、現代の現場に合ったユニフォームをご提案することが、私たちにできる“遠州らしさ”の継承なのかもしれませんね。
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→浜松の繊維産業の歴史を巡る【1】「初生衣神社」
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