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2022/11/11 コラム 世界初の「売れ残り衣類の廃棄禁止」法律

フランスで大量廃棄を正す目的で作られ、2020年に公布された(loi anti-gaspillage pour une économie circulaire)内で制定された、売れ残りの新品の衣類を企業が廃棄することを禁止する法律が2022年1月に施行されました。

 

「公布」と「施行」という難しい言葉が並んでいますが、2020年に「こういう法律を始めますよ」と発表され、2022年に「今日から実際にスタートします」という意味です。

 

ということで、2022年から違反をすると罰則が適用されてしまうのです。

衣類に限らず家電なども対象で、食品以外の在庫廃棄を規制する法律が施行されたのは世界初です。

 

 

ファッション業界の問題点

服売り場

現在のファッション業界はファストファッションが主流で、低価格で手に入れられることは不景気下の消費者にとっては嬉しいことです。

しかし、裏ではその価格を維持するための大量生産・大量消費・大量廃棄が環境汚染の悪循環の原因となっています。

 

また、服の生産は温室効果ガスの排出量が多く、綿の栽培や染色にも大量の水資源が消費されることから、繊維産業は環境負荷が高いものとされています。

 

食品の在庫廃棄は以前から問題になっており、世界中で取り組みがされていますが、ファッション業界の最先端を行くフランスで食品以外の在庫廃棄に関する法律が施行されたのには、大きな意味があると思います。

 

 

日本の現状は?

ゴミ収集車

環境省は2020年12月〜2021年3月に、国内で消費される衣服と環境負荷に関する調査を実施しました。

環境省_サステナブルファッション

 

この調査によると、原材料調達から製造段階までに、服1着あたり「CO2排出量:25.5kg」「水消費量:浴槽11杯分」もの環境負荷がかかっています。

 

また、ファストファッションが台頭したことが顕著に数字に表れていて、衣服1枚当たりの価格も1990年代と比べると半額程度になっています。

流行を取り入れつつ大量生産して短いサイクルで安く販売するスタイルは低価格が実現できる反面、大量廃棄が懸念されます。

その証拠に一人当たりの年間衣類購入枚数は18枚、手放す数は12枚となっており、その中の68%がゴミとして廃棄されてしまっているのです。

 

 

今後求められる取り組み

リサイクル

生産者・販売者・消費者が一緒に取り組み、ファッションと環境の未来を考えることが求められます。

 

それぞれが自分の利益だけを考えてしまうと、ファストファッションのループから抜け出せません。

未来の環境のことを第一に考え、意識の醸成と共有をしていくことが大切なのです。

 

【生産者】

・長期間着られる服の生産やサステナブルな素材の使用

・リサイクルやリユースなどを通して、衣類の再生の仕組みづくり

・大量生産によるスケールメリットの見直し

 

【販売者】

・適正な在庫管理で処分品の削減

・アウトレット販売などを通じて、売れ残りを抑える

・セールを前提とした仕入れの見直し

・流行のシーズンが終わったら処分するという、短サイクルの見直し

 

【消費者】

・低品質の安い商品を選ぶのではなく、高品質で長く着られる1着を選ぶ

・必要のない服を衝動買いしない

・ゴミとして廃棄するのではなく、リサイクルなどの積極活用

・古着の利用

 

 

危惧される点

デザイナー

ただし、この法律は環境には優しいのですが、若いクリエイターには厳しい面も持ち合わせています。

 

廃棄量を減らすことが求められるため、万人受けするデザインに偏ってしまう懸念があるのです。

新進気鋭のデザイナーが、奇抜なファッションを提案しても、製品化されずに埋もれてしまう可能性があります。

 

また、メーカーが在庫処分のリスクが高い「大きいサイズ」や「小さいサイズ」の生産を絞ってしまうという懸念もあります。

廃棄数を減らすという観点にこだわりすぎると、「中心サイズ・人気色だけ販売すればいいや」という業者が出てきても不思議ではありません。

そうなると、SDGsの多様性や平等性が保てないという、本末転倒な現象に陥りかねませんよね。

 

何かを始めようとすると、何かの問題が出てくるのは世の常です。

適性な落としどころを見つけて、明るい未来を迎えたいですね。

 

 

サステナブルな仕事服

サステナブル(持続可能)と混同しがちな3Rと呼ばれるリデュース・リユース・リサイクル。

 

サステナブルは「現在の世代も、未来の世代も満足できる状態を維持する」ことを意味することが多いです。

 

対して3Rは、廃棄物の削減に努める取り組みを指します。

Reduce・・・リデュース(ゴミの削減)
Reuse・・・リユース(再使用)
Recycle・・・リサイクル(再生)

サステナブルとリサイクルとは違いますという記事もありますが、3Rはサステナブルには欠かせない要素のため、地球の環境問題改善という目的は同じなのかなと思います。

 

考えれば考えるほど難しくなっていきますが、ちょっとしたことから始めてみませんか?

 

ほぼ毎日のように着用する仕事服。

仕事時だけに限らずあらゆるシーンで使える服を選択し、長く大切に使用するのも一つのサステナブルですよね。

リサイクルの仕事服を選択するのも一つのサステナブルです。

 

今だけを見るのではなく、未来を見据えて地球環境や社会に優しい行動をとりましょう。

再生可能な植物原料(サトウキビ)使用したサステナブルなカーディガン
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